北海道の観光施設がInstagramで予約を激増させた秘訣

【北海道の事例】観光施設がInstagramで予約を伸ばす秘訣のイメージ画像

目次

「Instagramを頑張っているけれど、一向に予約につながらない…」「北海道の雄大な自然や施設の魅力を、どう伝えればお客様に届くのだろう?」 このようなお悩みをお持ちの、地方・中小企業の観光施設ご担当者様は少なくないでしょう。この記事では、「北海道Instagram活用による予約獲得」をテーマに、ある観光施設が驚くべき成果を上げた事例を徹底解剖します。具体的な施策から成功要因までを深く掘り下げ、あなたの施設で明日から実践できるノウハウを、Webマーケティングのプロが解説します。

事例の背景・課題(Before)

今回取り上げるのは、富良野の丘に佇む架空の体験型リゾート「ファームイン北の大地」。美しいラベンダー畑と地元の新鮮な食材を使った料理が自慢ですが、Instagram活用以前は深刻な課題を抱えていました。

  • 大手OTAへの高い依存度: 予約のほとんどを大手Online Travel Agent(OTA)経由に頼っており、手数料の負担が経営を圧迫。自社サイトからの直接予約が月に数件しかありませんでした。
  • 新規顧客層へのアプローチ不足: 顧客層はリピーターや中高年層が中心。SNSを使いこなす若年層や、増加傾向にある個人旅行のインバウンド観光客へ、施設の魅力を効果的に届けられていませんでした。
  • 競合との差別化の困難: 周辺には同様のコンセプトを持つ宿泊施設や観光農園が多数存在。Webサイトやパンフレットだけでは、自社ならではの「体験価値」や「世界観」を伝えきれず、価格競争に陥りがちでした。
  • 機能していないSNSアカウント: Instagramアカウントは開設済みでしたが、更新は不定期。美しい風景写真を投稿しても「いいね」は付くものの、そこからWebサイトへの流入や予約に繋がっている実感はゼロ。プロフィールには公式サイトのトップページURLが貼られているだけで、予約への導線も弱い状態でした。

これらの課題から、Web集客、特にSNSマーケティングを抜本的に見直す必要に迫られていました。

実施した施策の詳細

課題解決のため、「ファームイン北の大地」は私たち株式会社Kotobaと伴走し、Instagramを中心とした包括的なSNS運用戦略を実行しました。単に「映える」写真を投稿するだけでなく、戦略に基づいた6つの施策を徹底したのです。

図解:Instagram予約獲得への6つの施策

ターゲット顧客に響くコンテンツ企画と制作

まず着手したのは、誰に何を届けるかを明確にする「ペルソナ設計」です。分析の結果、メインターゲットを以下の2つの層に設定しました。

  1. 「都会の喧騒を離れ、自然の中で心からリフレッシュしたい」と考える20代後半~30代のカップル
  2. 「子供に本物の自然体験をさせたい」と願う30代~40代のファミリー層

このペルソナに基づき、コンテンツの方向性を明確化。単なる施設の紹介ではなく、ターゲットが「自分がここに滞在したら…」と強く感情移入できるような投稿を心がけました。

  • カップル向け: 夕日に染まるラベンダー畑を二人で散歩する様子、暖炉のある客室でワイングラスを傾ける時間、採れたて野菜が並ぶ美しいディナープレートなど、「非日常」で「ロマンチック」な体験を切り取りました。
  • ファミリー向け: 子供たちが子ヤギに餌をあげる笑顔、泥だらけになってじゃがいもを収穫する姿、満点の星空の下で行うキャンプファイヤーなど、「本物の体験」と「家族の思い出」をテーマにしました。

このように、顧客理解を深めることは全ての施策の土台となります。詳しいペルソナの作り方については、「ペルソナ設計」のやり方。顧客理解を深める5つのステップもぜひご一読ください。

戦略的なハッシュタグとキャプション運用

発見性を高めるため、ハッシュタグ戦略を徹底しました。闇雲に付けるのではなく、規模別にバランス良く組み合わせることがポイントです。

  • ビッグワード(~100万件以上): #北海道旅行, #富良野, #hokkaidotrip
  • ミドルワード(数万~数十万件): #富良野観光, #北海道ホテル, #体験型リゾート, #hokkaidofood
  • スモールワード(~1万件): #ラベンダー畑の見える宿, #北海道で子連れ旅行, #富良野グルメ旅
  • オリジナルハッシュタグ: #ファームイン北の大地, #北の大地で深呼吸

キャプションでは、単なる状況説明を止め、フォロワーの五感に訴えかけるストーリーテリングを意識。「今朝、畑で収穫したばかりの完熟トマトです。太陽の光をたっぷり浴びたその味は、驚くほど濃厚で甘いんですよ。この感動、あなたも味わってみませんか?」といったように、共感を呼び、体験への期待感を高める文章を添えました。

リール動画とストーriesを活用した情報発信

静止画だけでは伝わりきらない施設の空気感や臨場感を伝えるため、動画コンテンツを積極的に活用しました。

  • リール動画: 30秒程度の短い動画で、施設の魅力を凝縮して発信しました。ドローンで撮影した広大な敷地の映像、シェフが料理を仕上げる手元、客室からの絶景をタイムラプスで撮影したルームツアーなどが特に人気を博しました。トレンドの音源を使うことで、フォロワー外へのリーチ数を最大化しました。
  • ストーリーズ: 24時間で消える特性を活かし、リアルタイム性の高い情報を発信。「今日の富良野は快晴です!」「キャンセルが出たので、本日限定の特別プランをご用意しました!」といったライブ感のある情報や、アンケート機能を使ったフォロワーとのコミュニケーション、Q&Aコーナーでの疑問解消など、フォロワーとの距離を縮めるために活用しました。

Instagram広告によるターゲットリーチ拡大

オーガニック運用でアカウントの基盤を固めた後、少額からInstagram広告を出稿し、効率的にターゲットリーチを拡大しました。

  • 詳細なターゲティング: 首都圏や関西圏在住で、「旅行」「アウトドア」「北海道」「オーガニック」といったキーワードに興味関心を持つ25歳~45歳のユーザーに絞って広告を配信。
  • リターゲティング広告: 一度Webサイトを訪れたものの予約には至らなかったユーザーに対し、「今なら10%OFF」といった特典付きの広告を配信し、再訪を促しました。
  • パフォーマンスの高い投稿の活用: オーガニック投稿の中で特にエンゲージメント率の高かったリール動画などを広告クリエイティブとして活用することで、広告費用対効果(ROAS)を最大化しました。

地方企業が少額で始めるSNS広告には成功のコツがあります。詳しくはこちらの記事でも解説しています。

UGC(User Generated Content)促進と活用

信頼性の高いコンテンツとして、お客様自身による投稿(UGC)を増やす施策も実施しました。

  • フォトスポットの設置: ラベンダー畑を背景にできるブランコや、施設名の入ったお洒落な看板など、思わず写真を撮りたくなるスポットを複数設置。
  • ハッシュタグキャンペーン:#ファームイン北の大地」のハッシュタグをつけて投稿してくれた方の中から、抽選でペア宿泊券をプレゼントするキャンペーンを実施。
  • 積極的なコミュニケーション: 投稿してくれたお客様には、必ずコメントや「いいね!」でお礼を伝え、許可を得た上で公式アカウントのストーリーズやフィードでリポスト(再投稿)。「お客様からの素敵なお写真」として紹介することで、第三者からのリアルな口コミとして機能し、アカウントの信頼性を飛躍的に高めました。

予約へのスムーズな導線設計と効果測定

Instagramで「ここに泊まりたい!」と思ってもらった熱量を逃さず予約に繋げるため、導線設計を最適化しました。

  • プロフィールリンクの最適化: 予約ページに直接遷移するURLをプロフィールに設定。「▼ご予約・空室確認はプロフィールのリンクから」と全ての投稿で誘導を徹底しました。
  • ストーリーズのリンクスタンプ活用: 「丘の見えるデラックスルーム」といった特定の宿泊プランを紹介するストーリーズに、そのプランの予約ページのURLを直接貼り付け、ワンタップで予約画面に進めるようにしました。
  • 効果測定と改善: Instagramの標準機能である「インサイト」を毎週チェック。プロフィールへのアクセス数、外部リンクのクリック数、各投稿のリーチや保存数などを分析し、「どの投稿が予約に繋がりやすいか」をデータに基づいて判断。次のコンテンツ企画に活かすPDCAサイクルを回し続けました。

成果・数値(After)

これらの施策を約1年間継続した結果、驚くべき成果が数字となって現れました。

指標項目 実施前(Before) 実施後(After) 変化率(増加率)
Instagram経由予約数 3件/月 45件/月 1,400%アップ
フォロワー数 800人 15,000人 1,775%アップ
平均エンゲージメント率 1.5% 5.0% 233%アップ
プロフィールクリック数 100回/月 3,000回/月 2,900%アップ
Webサイト流入数(Instagram経由) 50件/月 2,500件/月 4,900%アップ

最も注目すべきは、Instagram経由の予約数が月平均3件から45件へと15倍に増加した点です。これにより大手OTAへの依存度が大幅に低下し、収益性が大きく改善。さらに、若年層やファミリー層といった新しい顧客層からの予約が全体の約6割を占めるようになり、持続的な成長基盤を築くことに成功しました。

成功要因の分析

「ファームイン北の大地」はなぜこれほどの成功を収めることができたのでしょうか。その要因は、単一の施策ではなく、複数の要素が戦略的に連携したことにあります。

  1. 一貫した世界観(ブランディング)の構築: 「都会の喧騒を離れ、北海道の雄大な自然と食を五感で味わう」というコンセプトを軸に、全ての投稿に統一感を持たせました。これにより、単なる宿泊施設ではなく、「憧れのライフスタイルを体験できる場所」としてのブランドイメージを確立しました。
  2. 徹底したユーザー視点のコンテンツ: 施設側が「見せたいもの」ではなく、ペルソナが「見たいもの」「体験したいこと」を起点にコンテンツを企画。お客様が自分自身を投影できるような投稿を続けたことが、強い共感と「行ってみたい」という欲求を喚起しました。
  3. ファンを育てるコミュニケーション: 一方的な情報発信に終始せず、コメントやDMへの丁寧な返信、ストーリーズでの双方向のやり取りを通じて、フォロワーとの信頼関係を構築。単なるフォロワーを「熱量の高いファン」へと昇華させました。
  4. データに基づくPDCAサイクル: 「なんとなく」の運用を一切排除し、インサイトデータを毎週分析。何がうまくいき、何がうまくいかなかったのかを客観的に評価し、次のアクションを改善し続けるサイクルを確立したことが、成果の最大化に繋がりました。

Kotoba マーケティング支援

月5万円から、マーケティングの全領域をプロがサポート

戦略立案・SNS運用・Web広告・コンテンツSEOまで、一気通貫で対応。まずはサービス概要資料か、無料個別相談からどうぞ。

資料ダウンロード・個別相談、いずれも無料です。

自社への応用方法

この北海道の成功事例は、他の地域の観光施設や宿泊施設にとっても、多くの学びを与えてくれます。大規模な予算や専任チームがなくても、ポイントを押さえれば応用可能です。

  • ステップ1: 自社の「強み」と「ターゲット」を再定義する

まずは、あなたの施設の「一番の売り」は何か、そして「誰に最も喜んでほしいか」を言葉にしてみましょう。それが全てのコンテンツ戦略の出発点になります。

  • ステップ2: 投稿コンテンツの「型」を作る

いきなり多様なコンテンツを作るのは大変です。まずは「①絶景・風景」「②食事・グルメ」「③体験・アクティビティ」の3つの型を決め、それぞれのテーマで週に1回ずつ、合計週3回の投稿から始めてみましょう。

  • ステップ3: 予約への最短ルートを確保する

Instagramのプロフィール欄を見直してください。お客様が予約したいと思ったときに、迷わず予約ページにたどり着けるでしょうか? リンクが分かりにくい場合は、すぐに修正しましょう。

図解:InstagramとGoogleビジネスプロフィールの連携

さらに、Instagram運用と並行してMEO対策(Googleマップ最適化)に取り組むことで、集客効果を最大化できます。Instagramで施設に興味を持ったユーザーは、次にGoogleで「(施設名) 場所」や「(地域名) ホテル」と検索する行動を取ることが非常に多いからです。

その際、Googleビジネスプロフィールが最適化されており、魅力的な写真や最新情報、多くの高評価レビューが掲載されていれば、予約への最後のひと押しとなります。Instagramの投稿をGoogleビジネスプロフィールの「最新情報」に転載するなど、2つのプラットフォームを連携させることで、Web集客の強力なエコシステムを構築できます。

効果的なMEO対策については、地方企業が知るべき!Googleビジネスプロフィール最適化術で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

まとめ

本記事では、北海道の観光施設がInstagramを活用して予約数を劇的に伸ばした事例をもとに、その具体的な施策と成功要因を解説しました。

この事例から学べる最も重要なことは、Instagramは単なる「写真投稿アプリ」ではなく、顧客との関係を築き、体験価値を伝え、直接予約に繋げることのできる強力なマーケティングツールであるという事実です。

成功の鍵は、以下の3点に集約されます。

  1. 明確なターゲット設定と、その心に響く一貫した世界観の構築
  2. コメントやストーリーズを通じた、顧客との双方向コミュニケーション
  3. 「行ってみたい」という感情を逃さない、スムーズな予約導線の設計

これらの施策は、一見すると地道で時間がかかるように思えるかもしれません。しかし、一つひとつを着実に実行していくことで、あなたもInstagramを強力な集客チャネルに変えることができます。まずは、自社のInstagramアカウントを見直し、今回の事例から一つでも応用できる点を探すことから始めてみてはいかがでしょうか。

よくある質問(FAQ)

Q: Instagramで本当に予約が増えるのでしょうか?

A. はい、正しく運用すれば予約数の増加は十分に可能です。単に綺麗な写真を投稿するだけでなく、本記事で紹介したようなターゲット設定、魅力的なコンテンツ戦略、そして予約へのスムーズな導線設計が揃うことで、Instagramは強力な予約獲得チャネルになります。

Q: どのような観光施設でもInstagram運用は効果がありますか?

A. 視覚的な魅力(絶景、美味しい料理、ユニークな体験、お洒落な内装など)を伝えられる施設であれば、規模の大小を問わず高い効果が期待できます。特に、独自の強みやストーリーを持つ中小規模の施設ほど、大手との差別化を図りやすいプラットフォームです。

Q: Instagram運用にはどれくらいの時間やリソースが必要ですか?

A. 理想的には、担当者1名が週に5〜10時間程度を確保できると良いでしょう。この時間には、コンテンツの企画、撮影・編集、投稿作成、ユーザーとのコミュニケーション、そして成果の分析が含まれます。まずは週2〜3回の投稿から始め、無理のない範囲で継続することが重要です。

Q: Instagram広告は地方の小規模施設でも費用対効果が見込めますか?

A. はい、非常に見込めます。Instagram広告は1日数百円といった少額から始めることができ、地域、年齢、性別、興味関心などで非常に細かくターゲットを絞り込めるため、無駄な広告費を抑えられます。まずは月額1〜3万円程度の予算で、反応の良い投稿を宣伝してみるのがおすすめです。

Q: 成果が出るまでにどれくらいの期間がかかりますか?

A. 施設の状況や運用リソースによって異なりますが、一般的には3ヶ月〜半年程度でフォロワー数やエンゲージメント率に変化が見え始めます。そして、半年から1年をかけて、予約数の増加といった具体的なビジネス成果に繋がることが多いです。短期的な結果を求めるのではなく、長期的な視点で継続することが成功の鍵です。

参考・出典

Kotoba マーケティング支援

月5万円から、マーケティングの全領域をプロが一気通貫でサポートします。

戦略立案からSNS運用・Web広告・コンテンツSEOまで対応。
「何から手をつければいいかわからない」という段階から一緒に考えます。

資料ダウンロード・個別相談、いずれも無料です。