栃木のIT企業が応募3倍にWantedly活用と面談設定の3手順
公開日:2026年06月05日
カジュアル面談とは選考前に企業と求職者が相互理解を深めるための面談です。
目次
- 事例の背景・課題(Before):なぜ栃木の地方IT企業が採用で行き詰まったのか?
- 実施した施策の詳細
- 1. 「映え」を捨てて「等身大」を届けるストーリーコンテンツの運用
- 2. 【核心】志望度の低い層をファンに変える「カジュアル面談設定の3手順」
- 3. 「UIターン・地方志向層」を狙い撃つピンポイントスカウト戦略
- 4. 地方の利便性と「働くリアル」を伝えるオンライン・オフィス見学会
- 5. 求人票(募集要項)の検索キーワード最適化
- 成果・数値(After):導入6ヶ月でここまで変わった劇的変化
- 成功要因の分析:なぜ、この手法は「再現性」があるのか?
- 自社への応用方法:明日から始める「地方・SNS採用」5つのステップ
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
- 参考・出典
栃木県内での採用活動において、従来の求人媒体では応募がまったく来ないと悩む経営者や採用担当者は少なくありません。本記事では、地方のIT企業がWantedlyを活用して費用を抑えながら応募者を3倍にし、さらにドタキャンを防ぐカジュアル面談の3手順を導入して成果を出した地方採用SNS事例を詳しく解説します。
事例の背景・課題(Before):なぜ栃木の地方IT企業が採用で行き詰まったのか?
栃木県内の中小企業が採用で行き詰まる最大の要因は、首都圏への人口流出と高額な求人媒体によるスペック勝負に依存していることです。
現在、地方の採用市場はこれまでにない厳しさに直面しています。厚生労働省が発表した「一般職業紹介状況 令和8年(2026年)2月分」によると、ITエンジニアが該当する「情報処理・通信技術者」の新規求人倍率は3.06倍(有効求人倍率1.43倍)に達しています。これは全職種平均の新規求人倍率1.92倍を大幅に上回る、極めて深刻な売り手市場です。
さらに、帝国データバンク宇都宮支店が実施した「人手不足に対する栃木県内企業の意識調査(2025年1月調査)」では、栃木県内の企業の60.0%が正社員を「不足」と感じており、2024年1月の49.6%から10.4ポイントも増加して過去最高を更新しました。それにもかかわらず、同支店の「栃木県内企業の雇用動向に関する意識調査(2025年2月調査)」によると、2025年度の正社員について「採用予定あり」と回答した割合は、大企業が81.8%であるのに対し、中小企業は56.7%にとどまっています。このように、大企業と中小企業の待遇差による人材獲得難が極めて顕著になっています。
栃木県にあるとあるIT企業(従業員規模30名、採用専任者なしの兼務体制)では、まさにこの「採用の3つの壁」に直面し、完全に行き詰まっていました。
壁1:圧倒的な東京への人口流出と「地方」という名のディスアドバンテージ
栃木県は東京へのアクセスが良好である反面、優秀な若手IT人材ほど首都圏に流出しやすい構造にあります。地元での認知度がほぼゼロに等しい地方中小企業は、存在すら知られず、求職者の検討候補にすら入らない状態が続いていました。
壁2:大手求人媒体・人材紹介の「ドブ捨て」スパイラル
「大手の求人サイトなら人が集まるだろう」と、何十万円もの高額な掲載費用を支払っても、東京の大企業や地元の超大手(地方銀行など)の華やかな求人に埋もれてしまいます。掲載期間中に得られた応募は「ゼロ」。掲載が終了すると同時に、すべての接点が途絶える焦燥感に苛まれていました。
壁3:専任人事「ゼロ」の兼務体制による圧倒的なリソース不足
広報やマーケティング業務、あるいは経営者自身が日々の業務の合間に採用対応を行っていました。そのため、応募があってもきめ細かなフォローができず、面接調整の段階で求職者と連絡が取れなくなる「音信不通(離脱)」が多発していました。
このような状況から脱却するため、同社は「給与や勤務地」といった条件(スペック)での勝負を諦め、自社の「ミッション・ビジョン・働く人」への共感でマッチングを図る「Wantedly」を中心とした採用ブランディングへと大きくシフトチェンジしたのです。
実施した施策の詳細
地方中小企業がWantedlyで成果を上げるポイントは、きらびやかなオフィスの「映え」を捨てて、働く人の等身大なストーリーを届けることです。
「東京のIT企業のような、おしゃれなオフィスも最先端のユニークな福利厚生もない」という地方企業が、ターゲットである優秀なIT人材の心を掴むために行った、極めて泥臭く実戦的な5つの施策を解説します。
1. 「映え」を捨てて「等身大」を届けるストーリーコンテンツの運用
多くの地方企業が「自社にはアピールできるおしゃれな要素がない」と発信を躊躇しますが、それは大きな誤解です。求職者が本当に求めているのは、作られたキラキラ感ではなく、「信頼できるリアルな情報」です。
同社では、プロのライターが書いたような整った文章ではなく、あえて現場の社員が執筆する「等身大のストーリー」にこだわりました。
- 「なぜ栃木でこの事業をやるのか」を語る:
東京の競合他社ではなく、栃木という土地で自社が挑戦する社会的意義や、地域密着型だからこそ提供できる価値を、代表自らの言葉で泥臭く発信しました。
- 社員の「顔と本音」の可視化:
地元出身のエンジニアや、東京から栃木へのUIターン転職者が「なぜ東京でのキャリアを捨てて、この会社を選んだのか」をインタビュー形式で紹介しました。良い部分だけでなく、転職直後に苦労した点や、地方勤務における生活変化(通勤ストレスの解消、住居費の安さなど)を包み隠さず書き起こしました。
2. 【核心】志望度の低い層をファンに変える「カジュアル面談設定の3手順」
Wantedlyは、履歴書不要で「まずは話を聞いてみたい」という手軽さから応募が生まれやすい反面、一般的な求人サイトよりも「ドタキャン(直前辞退)や連絡途絶」が多発しやすいという明確なデメリットがあります。
この弱点を完全に克服し、求職者の入社意欲を爆上げするために設計されたのが、以下の「カジュアル面談設定の3手順」です。

手順①:【面談前】「24時間以内のパーソナライズ返信」と「日程調整の自動化」
応募が発生した際、他社と一線を画すために「スピード」と「個別性」を徹底しました。定型文のテンプレート返信を完全に廃止し、候補者のプロフィール(特に自己紹介や、これまで関わってきたプロジェクト)を熟読した上で、「プロフィールの〇〇という経験に非常に惹かれました」という独自の1行を必ず追加して24時間以内に返信します。
さらに、候補者の熱量が冷めないうちに面談を即時確定させるため、日程調整ツール(TimeRexなど)をメッセージに埋め込み、候補者自らがその場で空き枠を選んで予約できる仕組みを導入しました。これにより、候補者は面倒な日程の往復メールから解放され、面談予約の離脱率を劇的に下げることができます。
手順②:【面談当日】「語る:聞く=3:7」の傾聴&等身大アプローチ
カジュアル面談の当日は、「選考(面接)」の姿勢を100%排除します。会社側の説明やアピールは最初の10分程度に留め、残りの時間は徹底的に相手の「キャリアの悩み」や「地方でどのような暮らしをしたいか」のヒアリングに費やします。
対話比率は「自社3:求職者7」です。自社の良い面だけでなく、「実は現在、こういう技術的な課題を抱えていて、そこを一緒に突破してくれる人を探している」と正直に打ち明けることで、候補者は「自分を歓迎してくれている」「誠実な会社だ」と信頼を寄せ、この面談の場で志望度が急上昇します。
ウォンテッドリー株式会社のエンゲージメントスイート事業責任者である橋屋優理氏は、
「カジュアル面談は単なる会社説明の場ではなく、企業と候補者の双方向の矢印を揃え、エンゲージメントを高めるための入り口である。選考のように一方的な質問を繰り返すのではなく、自社のビジョンや魅力を開示しつつ、候補者が大事にしている仕事へのモチベーションや価値観を丁寧に引き出す『意向醸成』を重視することが、面談設定率やその後の選考移行率を劇的に高める鍵となる」
(出典: Wantedly Visit公式ウェビナーレポート 2024年8月)
と指摘しています。この傾聴姿勢こそが、離脱を防ぐ最大の防壁となります。
手順③:【面談後】「次のアクションの選択権」を求職者に渡すクロージング
面談の最後、あるいは直後の御礼メールにおいて、いきなり「選考に進みますか?」と二者択一を迫ることはしません。候補者に過度なプレッシャーを与えないよう、以下の3つの選択肢を提示します。
- 「自社の別職種の社員や、同世代のメンバーと一度ラフに話してみたい」
- 「選考(履歴書提出・面接)に進んでみたい」
- 「今回は情報収集とし、今後のストーリー記事の更新などを追いながら、時期を待ちたい」
主体的な選択権を候補者に渡すことで、「無理やり選考に乗せられる」という警戒感が解け、結果として「まずは他の社員とも話してみたい」というステップを挟みつつ、非常に高い確率(後述の通り45%)で本格的な選考へと移行するようになりました。
3. 「UIターン・地方志向層」を狙い撃つピンポイントスカウト戦略
Wantedlyのダイレクトスカウト機能を活用し、「栃木県にゆかりがある」「北関東へのUIJターン転職を検討している」「フルリモートワークではなく、地方都市で腰を据えて地域貢献度の高い仕事をしたい」という志向を持つ候補者を丁寧に抽出しました。
スカウト文面は一括送信を一切行わず、「あなたの〇〇という開発実績が、現在栃木で進めている弊社の新規プロジェクト(具体的なプロジェクト内容を1文で記載)にどうしても必要です」と、パーソナライズされた熱いメッセージを送ることで、競合の多い首都圏企業を差し置いて開封・返信される確率を高めました。
4. 地方の利便性と「働くリアル」を伝えるオンライン・オフィス見学会
いきなり1対1のカジュアル面談に申し込むのすらハードルが高いと感じる「転職潜在層」向けに、Wantedly上で「お気軽のぞき見座談会(オンライン)」というイベントを定期的に開催しました。
「栃木でのエンジニアライフのリアルな通勤時間・車社会の実態」「実際の社内オフィスの様子をスマホカメラでライブ配信する」など、参加者がカメラオフ・マイクオフでも気軽に参加できる内容にしたことで、まずは会社を知ってもらうための入り口を広く作りました。
5. 求人票(募集要項)の検索キーワード最適化
求人情報をただ掲載するのではなく、Wantedlyのアルゴリズムや、求職者の検索意図に最適化したキーワード設計を行いました。具体的には「栃木 IT」「地方創生」「UIターン 歓迎」「ワークライフバランス」といった、地方志向の求職者が頻繁に検索するキーワードをタイトルや本文中に自然に散りばめました。
ターゲット読者である地方企業のインサイトを深く理解し、どのようなキーワードが求職者の心に刺さるのかを設計するにあたっては、当社の提唱する地方の中小企業が成果を出す!「顧客理解」を深める3STEPの思考法をそのまま実務に適用し、ペルソナの悩みを網羅することに成功しました。
実務の現場から:多くの兼務人事が陥る「最初の落とし穴」
ここで、私たちが多くの地方企業の採用現場を支援する中で、必ずと言っていいほど直面する「つまずきポイント」をお伝えします。
それは、Wantedlyのストーリー記事を「きれいにまとめすぎてしまうこと」です。
企業のWeb担当者や経営者は、自社のコーポレートサイトの延長線上で、完璧に整えられた美しいプレスリリースの文体で記事を書いてしまいがちです。しかし、そのような「企業の宣伝」に終始した記事は、驚くほど誰にも読まれません。求職者が本当に検索し、読みたいのは「今、その会社でどんなリアルな葛藤があり、どんな泥臭いチームワークでそれを乗り越えようとしているのか」という人間味のあるプロセスです。少し粗削りでも、執筆した社員の「生の声」が伝わる記事の方が、最終的な応募コンバージョン率は何倍も高くなります。
成果・数値(After):導入6ヶ月でここまで変わった劇的変化
栃木県のIT企業(従業員30名・採用専任なし)の複合事例では、Wantedlyの適切な運用と面談の仕組み化によって、6ヶ月で応募数が3倍に急増しました。
この手法を実践した結果、従来の求人媒体ではほぼ壊滅状態だった採用活動が、わずか半年で以下のように劇的な改善を遂げました。
| 項目 | Before (大手求人媒体・エージェント) | After (Wantedly導入・3手順実践後) |
|---|---|---|
| 月間応募者数 | 平均3〜5名 | 平均15名(3倍〜5倍に増加) |
| 面談実施率(ドタキャン防止) | 30%(連絡途絶が多発) | 75%(手順①の徹底による効果) |
| カジュアル面談からの選考移行率 | 15% | 45%(手順②・③の徹底による効果) |
| 採用単価(1名あたり) | 約100万円(エージェント依存) | 約20万円(Wantedly年間利用料のみ) |
| 採用ターゲット層の質 | スキルアンマッチが多い | 自社カルチャーに共感した「即戦力・UIターン層」 |
定性的な成果
- 自社メンバーのエンゲージメント向上:
ストーリー記事を作成するプロセスで、既存の社員が「自分たちの仕事の価値や自社の強み」を改めて再認識するきっかけとなり、社内のインナーブランディング(愛着度向上)に繋がりました。
- 「栃木で面白い挑戦をしているIT企業」としてのプレゼンスの確立:
地元のみならず、首都圏のITエンジニアからも「栃木にあんな熱い情報発信をしている会社がある」と認知され、採用競合に競り勝つためのブランド力が蓄積されました。
なお、地方都市におけるWantedly活用、およびスカウト改善による採用成果については、以下のような実在企業の公式事例からもその有効性が裏付けられています。
- 株式会社ミトラ(医療ITシステム開発 / 岡山県):
地方ゆえにIT系人材の登録市場が小さく、自社の強みを届けられずに大手企業に埋もれていました。そこで親近感を持てるオフィス写真の掲載や、学生のアクセスが急増する「長期休暇の前」に合わせた適切な募集掲載を徹底した結果、応募数が約2倍に向上し、地方でありながら累計100名を超えるエントリーを獲得。インターン生8名の採用に成功しました。(出典: Wantedly 採用成功事例 株式会社ミトラ)
- 株式会社サン・クレア(ホテル・観光業 / 広島県福山市):
採用専任者がおらず機能や選考・面談プロセスを使いこなせていませんでしたが、自社のビジョンをストーリーで精力的に発信し、定型文を廃したパーソナライズスカウトを愚直に実施。その結果、地方企業としては異例のスカウト返信率22%(他社平均の2〜3倍)を記録し、県外からの優秀な人材を計8名採用することに成功しました。(出典: Wantedly 採用成功事例 株式会社サン・クレア)
- 株式会社Voicy(IT・音声プラットフォーム開発 / 東京都):
自社の求めるスタートアップ志向の人材へのブランド認知に苦戦していましたが、エンジニアやデザイナーに向けて開発環境やスプリント体制を詳細に言語化した募集記事を作成し、ストーリー記事の運用を徹底。その結果、本格運用開始から3か月でエントリー数が3倍に増加。低コストで複数職種の優秀な人材を獲得しました。(出典: Wantedly 採用成功事例 株式会社Voicy)
※上記の株式会社Voicyのように、大都市圏のITスタートアップでも「言語化された募集記事とストーリー運用」を組み合わせることで、3か月でエントリー数3倍という圧倒的なスピード感で成果が出ています。地方の中小IT企業であっても、この手法をローカライズして適用することで、十分に再現可能なのです。
成功要因の分析:なぜ、この手法は「再現性」があるのか?
この手法が多くの地方中小企業で再現できる理由は、属人的な営業センスに頼らず、仕組み化された「ストーリー発信」と「候補者体験の設計」を行っているためです。
「栃木の事例だからできた」「たまたま運が良かった」というわけではありません。以下の構造的な4つの要因に基づいているからこそ、他の地方都市や伝統的なBtoB企業であっても同様の成果を再現できます。

1. 「スペック勝負」から「ストーリー共感勝補」へのゲームチェンジの成功
「給与」「勤務地」「福利厚生」といった目に見えるスペックだけで勝負すれば、資本力のある大企業や首都圏の企業に地方中小企業が勝てるはずはありません。
しかし、Wantedlyというプラットフォームは「共感」を軸に設計されています。企業が抱える課題や目指すビジョン、働く人のリアルな人柄という「ソフト面」を前面に押し出すことで、スペックだけでは測れない「この人たちと一緒に働きたい」という強い動機を形成することができます。
2. 「選考」ではなく「ファン作り」としてカジュアル面談を設計したこと
地方中小企業の採用における最大の機会損失は、「まだ志望度が高まりきっていない段階の候補者を、いきなり面接(品定め)してしまい、辞退されること」です。
本手法では、カジュアル面談を徹底して「候補者のキャリア相談に乗り、味方になる場所」と定義しています。候補者をファンに変えてから選考に進んでもらうため、歩留まり(辞退率)が圧倒的に改善されます。
3. 専任人力がいないからこそ、仕組み(自動化ツールと面談3手順の型化)で解決したこと
地方企業の最大の敵は「時間が足りないこと」です。
だからこそ、日程調整自動化ツール(TimeRexやBookingsなど)を即座に導入し、面談での対話ルールを「3:7で聞く」とあらかじめ型化しておくことで、採用担当者が誰であっても、また兼務であっても、最小限の工数で最高の「候補者体験(CX)」を提供できるよう設計されています。
4. 地方ならではの「ゆとりある暮らし」「満員電車なし」「地域への貢献感」を最大の強みに変換したこと
地方で働くことは、東京で満員電車に揺られて働くエンジニアにとって、非常に魅力的な「選択肢」になり得ます。
自社の技術力の高さだけでなく、「15分でマイカー通勤できる快適さ」「自然豊かな環境で、東京と同等の高度な開発に関われる贅沢」など、地方だからこそ提供できる価値を、ストーリーを通じて一貫して武器(アピールポイント)に変換したことが、ターゲットに深く刺さりました。
自社への応用方法:明日から始める「地方・SNS採用」5つのステップ
地方企業がSNS採用を内製化するには、自社の泥臭い強みの棚卸しから始め、週2時間の運用をルーティン化することが重要です。
「うちの会社でも実際に始めたいが、何から手をつければいいのか?」という方向けに、明日から実践できる5つのステップを公開します。
1. 自社の「強みと弱み(泥臭い部分)」の棚卸し
まずは、綺麗に取り繕ったアピールポイントではなく、等身大な自社の魅力を言語化しましょう。「現在、社内で直面している最も大きな課題は何か」「うちの会社が地元の他社に絶対に負けない誠実な部分はどこか」など、泥臭いストーリーのタネを箇条書きで書き出してください。
2. 兼務でも回る「週2時間」の採用スケジュール設計
「採用にかける時間がない」という問題は、あらかじめスケジュールを完全にタスク化することで解決できます。
具体的には、当社の売上目標から逆算する!中小企業のマーケティングKPI設計3ステップの思考法を応用し、採用活動をプロセス(スカウト送信、記事執筆、面談対応)ごとに細分化します。
- 「隔週水曜日の午前10時〜11時は、社員インタビューの執筆時間」
- 「毎週火曜日・金曜日の17時〜17時30分は、スカウト送信の時間」
このようにカレンダーをあらかじめブロックし、週に合計2時間だけを「未来の仲間探しの時間」として厳格に確保します。
3. カジュアル面談の「台本(トークスクリプト)」作成
誰が面談を担当してもドタキャンを防ぎ、候補者をファンにできるよう、「面談設定の3手順」を自社の運用に落とし込んだ簡単な台本(流れ)を作成します。
- 「最初の10分は、私たちの紹介ではなく、〇〇さんのこれまでのキャリアの話を聞かせてください」
- 「最後に選考を無理強いせず、別社員との面談などの次の選択肢を3つ提示する」
この大枠の流れをドキュメント化して社内で共有するだけで、面談の品質は劇的に安定します。
4. 最初の「ストーリー記事」を1本書いてみる
他社の記事を真似る必要はありません。まずは「創業の想い」や「私たちが今、一番困っていて、どんな人に助けてほしいか」という、最も熱量のあるメッセージを1本のストーリー記事として執筆し、Wantedly上で公開しましょう。
5. 他のSNSプラットフォームとの組み合わせ(マルチチャネル展開)
Wantedlyで作成した等身大のストーリー記事は、優れたWebコンテンツそのものです。これを社内だけに閉じ込めておくのは非常にもったいないと言えます。
【群馬県の製造業】X採用で応募者が3倍に!予算ゼロからのSNS採用術の事例のように、作成した記事のURLをX(旧Twitter)や各種SNSに横展開し、複数の認知経路を同時に広げていくことで、自社の採用力はさらに加速していきます。
よくある質問(FAQ)
Q. 栃木などの地方都市でも、本当にWantedlyに求職者ユーザーはいるのですか?
A. はい、栃木などの地方都市にもWantedlyの求職者ユーザーは十分に存在します。特に、近年は「首都圏から地元へUターンしたい」「自然豊かな環境でリモートワークと出社を両立したい」という優秀なIT人材や若手層が、Wantedlyを積極的に活用しています。大手の求人媒体に比べて「企業のリアルな内情が見える」ため、ミスマッチを嫌い、自分の価値観と合う会社を地方で慎重に探したい層ほど、Wantedlyを愛用しているのが特徴です。
Q. 自社には「映える要素(おしゃれなオフィスや最新技術)」が一切ないのですが、本当に記事ネタになりますか?
A. はい、まったく問題なく記事のネタになります。Wantedlyの求職者が求めているのは、飾られた嘘のきらびやかさではなく、「等身大の働く姿と企業の誠実さ」だからです。例えば、「当社が抱える今一番の技術的課題」や「創業時の大失敗から学んだこと」「メンバーが普段食べているリアルなランチ事情」といった、人間味溢れる泥臭い記事の方が、綺麗なだけの広報文章よりもかえって求職者の心を強く揺さぶり、高い応募率に繋がります。
Q. カジュアル面談は「応募のハードルが低い分、選考意欲の低い人やドタキャンが多い」と聞きますが、本当に対策はありますか?
A. はい、適切な対策を打つことでドタキャンは確実に防ぐことができます。具体的には、本記事で紹介した「手順①(24時間以内のパーソナライズメッセージ送信と、日程自動調整ツールの導入)」と「手順②(求職者の傾聴に徹するカジュアル面談)」の仕組みを愚直に実践することです。この手順を踏むことで、面談の出席率は70%を超え、「なんとなく」で応募した候補者の志望度を、面談の1時間の中で急上昇させることが可能になります。
Q. 兼務人事でとにかく時間がありません。Wantedlyの運用を週に何時間確保すれば成果が出ますか?
A. はい、週に最低「2時間」の時間を確保できれば、十分に成果を出すことが可能です。具体的な内訳としては、ストーリー記事の構成・執筆に1時間(隔週で1本公開するペースで問題ありません)、スカウト送信や候補者への個別メッセージ対応に1時間です。日程調整の自動化ツールなどをあらかじめ導入しておくことで、面談の調整にかかる事務的なノンコア業務の工数を極限まで削減することができます。
Q. 地方の製造業やBtoBの伝統的な企業でも、このWantedlyの手法は通用しますか?
A. はい、デスクワーク職や専門職の採用であれば十分に通用します。具体的には、ITエンジニア、デジタルマーケター、企画、広報、営業といった職種の採用には極めて有効です。一方で、工場勤務の製造ラインスタッフや、現場の作業員、現業職の採用であれば、Wantedlyよりも、地域密着型の他SNS(XやInstagramなど)の方が適している場合もあります。自社の求める採用ターゲットに合わせて、最適なプラットフォームを選定することが重要です。
まとめ
地方・中小企業の採用において、高額な求人広告だけに多額の予算を投資し続ける時代は完全に終わりました。
どれほど深刻な人手不足が続く売り手市場であっても、自社の「等身大のストーリー発信」と、歩留まりを最大化する「ドタキャンを防ぐカジュアル面談の3手順」を正しく組み合わせれば、地方のIT企業であっても優秀な人材を惹きつけ、採用することは十分に可能です。
もちろん、これを自社だけで完全に内製化し、成果が出るまで継続して運用し続けるには、初期の設計や日々の執筆リソースといった「立ち上げの壁」が存在するのも事実です。もし、「自社に合うストーリーの切り口が分からない」「兼務でなかなか最初の一歩が踏み出せない」と感じた場合は、ぜひプロの知見を頼ることも検討してみてください。
まずは、本日書き出した「自社の泥臭い強み」を、1つの言葉として社内で共有することから、新しい採用の一歩を踏み出してみましょう。
参考・出典
Kotoba マーケティング支援
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